シングルマザーの悩みで1番多いのがお金についてです。子どものためにと仕事を掛け持ちして働いている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひ知って欲しいのがシングルマザーのための手当や支援制度です。日本には多くの支援制度があるのですが、自分で申請をしないともらうことはできないものがほとんどです。
ですので、自分に当てはまるものがあれば申請をして手当をもらいましょう。手当を上手く活用することで子どもとの時間を確保できるようになるかもしれません。
今回はシングルマザーの方に知っておいて欲しい手当や支援制度について紹介させていただきます。
シングルマザーが受けられる手当・助成金
シングルマザーが受け取ることのできる手当や給付金はけっこうたくさんあります。ただ、自分で申請をしないともらえないものも少なくありません。
後で気づいてからでは遅いので、しっかりと調べてもらえるものはもらっておきましょう!
児童扶養手当
ひとり親世帯の生活の安定と自立の促進に寄与するための制度です。昔は母子家庭のみ対象でしたが、平成22年から父子家庭も対象となりました。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
18歳以下の子どもがいるひとり親が対象となります。18歳になっても3月31日までは支給対象となります。
高校を卒業するまでの3年間は対象ということです。障害児の場合は20歳未満が対象になります。
手当額
子どもの人数 | 全額支給 | 一部支給 |
子どもが1人の場合 | 月額43,160円 | 月額43,150円~10,180円 |
子どもが2人の場合 | 月額53,350円 | 月額53,330円~15,280円 |
子どもが3人以上の場合 | 1人増えるごとに月額6,110円加算 | 1人増えるごとに月額6,100円~3,060円 |
子どもが1人の場合、年収160万円未満であれば全額支給されますが、超えてしまうと一部支給となり、年収365万円以上となると支給対象から外れてしまいます。
子どもが2人の場合、年収215.7万円未満であれば全額支給対象ですが、超えてしまうと一部支給となり、年収412.5万円以上となると支給対象から外れてしまいますので注意しましょう。
児童手当
子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、次代の社会を担う児童の健やかな成長のための手当です。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。子どもが生まれたり、他の市区町村から転入したときは現住所の市区町村に「認定請求書」を提出することが必要です。
支給対象
中学卒業までの子どもがいる方が対象となります。
手当額
子どもの年齢 | 児童手当の金額(一人あたり) |
3歳未満 | 月額15,000円 |
3歳以上小学校修了未満 | 月額10,000円(3人目以降は15,000円) |
中学生 | 月額10,000円 |
毎年6月分以降の児童手当を受けるには「現況届」の提出が必要となります。提出しないと6月分以降の手当が受けられなくなるので注意しましょう!
児童育成手当
児童の心身の健やかな成長に寄与することを目的としてひとり親家庭等に支給される手当です。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
18歳に達した日の年度の末日までの子どもを養育していて、離婚や死亡等により父または母がいないが対象となります。わかりやすく言うと高校を卒業するまでの子どもがいる方ということです。
法律上婚姻関係になくても男性と同居していたり、男性からの定期的な訪問があったり、男性からの生活費の補助を受けている場合は対象になりませんので注意しましょう。
手当額
子ども一人につき13,500円/月が支給されます。申請のあった翌月から毎年6月・10月・2月に振り込まれます。
住宅手当(母子家庭等家賃助成)
お住いの市町村によっては住宅手当(母子家庭等家賃助成)が受けられる可能性があります。ただ、実施していないところも多いです。事前に確認しておきましょう。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
18歳に達した日の年度の末日までの子どもを養育していて、かつその子どもを養育している方が対象となります。こちらもわかりやすく言うと高校を卒業するまでの子どもと一緒に住んでいる方ということとなります。
手当額例(厚木市)
家賃月額 | 助成金月額 |
1万円以上1万3千円未満 | 1,300円 |
1万3千円以上1万6千円未満 | 2,600円 |
1万6千円以上1万9千円未満 | 3,900円 |
1万9千円以上2万2千円未満 | 5,200円 |
2万2千円以上3万円未満 | 6,500円 |
3万円以上4万6千円未満 | 7,800円 |
4万6千円以上5万円未満 | 9,100円 |
5万円以上6万円未満 | 10,000円 |
各市町村で支給条件が決められているので、詳しく知りたい場合は市役所や区役所などに問い合わせてみてください。
生活保護
生活保護制度は健康で文化的な最低限度の生活を保障するためのものです。簡単に言えば毎日普通に生活をしていくことさえ困難だという人を助けるためのものです。
世間の目もあり申請しにくいと考える方もいるようですが、本当に生活に苦しんでいるという方は日本国民の権利ですので積極的に使っていきましょう!
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村の福祉事務所が担当となります。福祉事務所を設置していない町村の場合は町村役場でも申請の手続きができます。
支給対象
生活保護は条件を満たせば年齢や性別に関わらず受け取ることができます。申請をした後に以下のような調査がされ、問題なければ受給できるというわけです。
- 生活状況等を把握するための実地調査
- 預貯金・保険・不動産の資産調査
- 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
- 年金等の社会保障給付・就労収入等の調査
- 就労の可能性の調査
手当額例
生活保護には生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・出産扶助・生業扶助・総裁扶助の7種類があり、受け取ることのできる金額はお住いの区市町村によって異なります。
令和4年4月時点での生活扶助の例を紹介させていただきます。地方に比べると都市の方が物価が高いので支給額も高い傾向があります。
東京都区部等 | 地方群部等 | |
母子世帯(30歳・4歳・2歳) | 190,550円 | 168,360円 |
参考:厚生労働省生活保護
ひとり親家族等医療費助成制度
子どもが思いもよらぬケガや病気で治療が必要になった時に利用できる制度です。医療費の一部を県や市区町村が支払ってくれます。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
対象年齢は自治体によって異なりますが、高校卒業時までとしているところが多いようです。静岡県浜松市のように20歳まで対象としている自治体もありますので、お住いの市区町村に問い合わせてみて下さい。
参考:浜松市HP
シングルマザーが受けられる減免と割引制度
ひとり親控除(所得税)
毎月の給料から天引きされている所得税を減らすことができる制度です。以下の4つの要件を満たした場合、合計所得金額が500万円以下であれば35万円の所得控除が適用されます。
- 婚姻をしていない、あるいは配偶者が生死不明
- 生計を同じくする子どもがいること
- 合計所得金額が500万円以下
- 事実上婚姻関係にあると認められる者がいないこと
申請方法
申請方法は年末調整の際に配られる「扶養控除等申請書」で申告するだけです。申告し忘れると対象となりませんので注意しましょう。
参考:国税庁HPひとり親控除
ひとり親控除(住民税)
毎月の給料から天引きされている住民税を減らすことができる制度です。所得税は国が管理していますが、住民税はお住いの市区町村が管理しています。
以下の3つの要件を満たした場合、前年の所得金額が500万円以下の場合は30万円の住民税が控除され、前年の所得金額が135万円以下である場合は非課税となります。
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の者がいない
- 住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」等の記載が無い
- 生計を一にする子を有する
申請方法
こちらの申請方法も年末調整の際に配られる「扶養控除等申請書」で申告するだけです。申告し忘れると対象となりませんので注意しましょう。
参考:富田林市課税課のページ
国民年金・国民健康保険の免除
国民年金には所得が少なく支払うことが難しい場合に保険料を全額、もしくは半額免除する制度が設けられています。
ただ、その場合将来受け取ることのできる年金額は減ってしまうので注意しましょう。
国民健康保険についても所得が基準以下の場合には保険料を減免できる制度があります。お住いの市区町村に問い合わせをして相談をしてみるようにしましょう。
交通機関の割引制度
交通機関の割引制度もあります。児童扶養手当を受給している世帯はJRの通勤定期乗車券が3割引きで購入できます。また、市区町村によっては公営のバス料金が無料や割引になる場合もあります。
粗大ごみ等処理手数料の減免制度
児童扶養手当を受けている世帯であれば粗大ごみ等処理手数料が減免される場合もあります。お住いの市区町村によって制度は異なりますので一度問い合わせをしてみましょう。
上下水道の減免制度
児童扶養手当を受けている世帯であれば上下水道の料金が減免される場合があります。お住いの市区町村によって制度は異なりますので一度問い合わせをしてみましょう。
保育料の免除と減額
通常保育園や認定こども園などは3~5歳の子どもを預ける場合は無料ですが、0~2歳の子どもはお金がかかります。
ただ、お住いの市区町村によってはシングルマザーであれば保育料の免除や減額をしてくれるケースがあります。
お住いの市区町村によって制度は異なりますので一度問い合わせをしてみましょう。
シングルマザーの資格取得のための自立支援給付金
母子家庭のシングルマザーの方の経済的な自立を支援するための給付金制度があります。各都道府県・市区町村にて実施されていますので、資格を取りたいと思っている方はお住いの市区町村に問い合わせてみましょう。
自立支援教育訓練給付金
対象教育訓練を受講して修了した場合にその経費の60%が支給される制度です。受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があるので、必ず事前にお住いの市区町村に問い合わせをしましょう。
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
母子家庭の母又は父子家庭の父であって、20歳に満たない子どもを扶養している方が対象になります。
対象資格
対象となるのは厚生労働大臣が指定した約1万4千講座で、様々な資格を取得することが可能です。取れる資格の一例として以下のようなものがあります。
- 簿記
- 英語検定
- 介護
- 税理士
- プログラミング
参考:厚生労働省母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について
高等職業訓練促進給付金等事業
自立支援教育訓練給付金は対象教育訓練を受講して修了した場合にもらえるものですので受講期間中はもらうことができません。
それでは生活をしていくことができないという方のための給付金がこの高等職業訓練促進給付金等事業です。
看護師や介護福祉士等の資格取得のため1年以上養成機関で修業する場合に生活の負担軽減のために給付金が支給されます。
対象資格
対象となる資格の一例です。以下の資格以外も対象となるものもあります。
- 看護師
- 介護福祉士
- 保育士
- 歯科衛生士
- シスコシステムズ認定資格など
申請場所
申請場所は住民票の届け出をしている市区町村となります。
支給対象
母子家庭の母又は父子家庭の父であって、20歳に満たない子どもを扶養している方が対象になります。
支給額・期間
市町村民税非課税世帯 | 市町村民税課税世帯 | |
高等職業訓練促進給付金 | 月額100,000円 | 月額70,500円 |
高等職業訓練修了給付金 | 50,000円 | 25,000円 |
最後に
シングルマザーの方に対する公的な支援制度というのは意外とあります。市区町村独自の制度もありますので、調べてみると良いでしょう。
そんなもの面倒くさいと考える方がいるかもしれませんが、15分調べてみるだけで毎月数万円の恩恵が得られるかもしれません。子どものため、自分のためと思いめんどくさがらずにしっかりと調べてみましょう。
基本的に公的支援と言うのは自分で申請をする必要があります。申請が遅れると適用できなくなるケースもありますので速やかに手続きをするようにしましょう。
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